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“ 美の極意 ”

ミス日本50周年記念本「日本の美人50年」への寄稿文です。

美しさのフォルムは絶対的。鎖骨、膝、アキレス腱にあらわれる

 

  美しい人には良いこころが宿る

 これまで何百人という女性の絵を描いてきて気がついたことは、やはり美しい人には「良い心が宿っている」ということだ。言いかえれば、その人が美しいと感じるものをどれだけ心の中に持っているかが重要だと思うのだ。 では、その“こころ”がどこからあらわれるのかといったら、ひとつには、心身の鍛錬から生まれてくるのではないかと考えるのである。

 2000年からロシアの現代最高峰のプリマを取材しているが、特に印象に残っているのは、稽古場の上の部屋を借りて2週間にわたり、世界最高峰と讃えられるバレエダンサーのニイナ・アナニアシヴィリを取材をしたときのことだ。想像を超えるそのレベルの高さに圧倒された。特にその妖精のような容姿と相まって、完璧なまでの身体能力と舞踏技術は神業である。まるで格闘技ではないかと思わせる稽古量、プリマの迫真の表情、肢体の躍動感に観入った。稽古場の少し離れた場所で観ていたが、私の頬には容赦なく彼女の滝のような汗が飛んできた。古い稽古場であったが、彼女の放つ光でその場の空気が輝いていたことを今でも忘れない。

 プリマの美しさは鎖骨や膝、アキレス腱にあるということも発見した。余計な脂肪がついていない証拠であり、鍛錬が心身の美しさにあらわれるのだ。

 当日の本番の舞台も拝見した。不思議なことに舞台上では持てる力の8割も出していないのではと思われるくらいの余裕を感じた。しかし、だからこそ美しいのだと気がついた。本番に100%以上のピークを持っていくのではなく、鍛錬に鍛錬を重ねた身体というのは、本番で少しの余裕をもたせてこそ美しく映えるのだ。これはぜひ、ミス日本のステージにもいえることではないだろうか。ましてや、一夜漬けの感覚でステージに出ようなんていう心構えでいたらダメだ。自分の美しさを磨き見出し、本番では余裕があるくらいの仕上がりで出ていくことが理想的ではないかと思う。

 

 立場が身体を変えこころも変えていく

 特に、コンテストでは身体美を表現するのだから鎖骨、膝、アキレス腱に脂肪がつかないように日常生活を整えていくことが肝要である。それは食べないダイエットではなく、きちんと食べて養生を欠かさないことをいう。 ミス日本が1年間の務めを終えて1年後に全員が美しくなっている姿を見るにつけ、立場がその人を変え、こころが美しさを作っていったことがわかる。その変化した姿を私は長年描いている。

 2015年度グランプリの芳賀さんのフォルムは素晴らしかった。骨格がしっかりとしており、シンクロナイズドスイミングで鍛えあげた筋肉がしなやかで、日本人女性ならではの美しさをかもしだしていた。 少しもめげずに、一生懸命に生きていく。どこまでも素直でまっすぐな考え方が女性に幸運をもたらすのである。美しさは、類稀な宝である。人は、美しい女性に感嘆するが、心やさしいことは、より本物の美しさをもたらすと思っている。 

 

PROFILE

1936 年東京 京橋生まれ。1972 年ロンドン テートギャラリーにてターナーの作品にふれ、感銘を受ける。その後パリ ル・サロン受賞 ベルギー美術賞展グランプリ受賞。2001 年第9回世界バレーコンクール(モスクワ ボリショイ劇場)にて最優秀バレリーナに村山筆の肖像画を贈呈する村山賞が設立される。2004 年からはミス日本グランプリ審査委員とともにグランプリの肖像画を描く。

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