- 永訣の月
- 義経、一の谷へ
- 勇者の蓮
- 藤原清衡の夢
- 静(しずか)の夢
永訣の月 (源九郎義経公最期の肖像)
義経公が最期となる衣川の舘で悲運の将が最期の前日を家来と共に静寂に過ごした場面です。外の闇から窓越しに月光が差し、霊魂がただようような様を描きました。身に迫りくる心の慟哭を表現したかったのです。 (2002年作 個人蔵)
永訣の月 oil on canvas 91.0×72.8cm
勇者の蓮(中尊寺蓮)
(中尊寺蓮)記録によると、1189年源義経と妻子が居住する奥州平泉の衣川の舘に、藤原三代の泰衡(やすひら)が突如500の軍勢を率いて襲い、義経方が僅か20名足らずで応戦するもかなわず、妻子と共に自決するに至りました。義経31歳でした。藤原泰衡の裏切り行為でしたが、その後、源頼朝により打首となり、不憫に思った中尊寺の僧が泰衡の首桶に蓮の花を添えて埋蔵したと伝えられます。その首桶から発見された種が800余年の時空を超えて季節になると中尊寺の大池に大輪の蓮の花が咲き誇ります。 (岩手県平泉市中尊寺)
〔補足〕1950年、植物学者の大賀一郎博士が泰衡の首桶の中から数個の蓮の種を発見。1993年、大賀博士門下の中島時子教授が、810年の時を経て発芽に成功。
勇者の蓮(中尊寺蓮) oil on canvas 33.4×24.3cm
藤原清衡の夢(桜一樹)
奥州藤原三代の初代当主・藤原清衡公がこの地・平泉を初めて訪れ、“束稲山(たばしねやま)”を前景に北上川のほとりにたたずみ、平泉政権の樹立の夢を託したまぼろしの風景を描いた作品です。
藤原清衡の夢(桜一樹) oil on canvas 60.6×50.0cm